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奇書「不可視の人々」(一九七六年)の本当の著者は、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者か?

公開日時:2008年06月22日 21時27分
更新日時:2008年06月23日 02時06分

平成十八年(二〇〇六年)二月二十六日(日)
(第一千五百九十八回)

◯the invisibles: a dialectic 
  by thibaut d'amiens [?]
    f. borishinski [?]
  introduction by hugh fox 1976.

◯これはとても奇妙な本である。

◯不可視の人々 -弁証法-
  著者 チボー ダミエン(?)
     F.ボリシンスキー(?)
  序論 ヒュー・フォックス 一九七六年

◯この本は「システム・アナリシス」について書かれて居る。

◯しかし、二人の著者の正体は全く分らない。

◯その原稿は、
 身元不明の人物から、実在するヒュー・フォックスと言う米国人に
 送られて来た。そして、これを出版して欲しい、と。

◯ヒュー・フォックスは、八方手を尽くしてその著者を調べたけれども、
 皆目分らない。

◯結局、この本では、
 著者は、共産化したハンガリーから米国に亡命した学者、ジョン・ハーサニー
 john harsanyi である、と推定されて居る。

◯そしてこの、ジョン・ハーサニー(一九二〇~二〇〇〇年)は、
 米国カリフォルニア大学バークレイ校の教授。

 一九九四年、「ゲームの理論」によって、ノーベル経済学賞を他の二人の学者
 と共に受賞した、と。そしてそのとき、七十四才であったと。

◯このハーサニー教授のその後の消息については分らない。

◯ハーサニー教授らが、一九六〇年代に提出した経済学の「ゲームの理論」が、
 一九九四年、ノーベル経済学賞を与えられた経緯、そしてその後の事情につ
 いても筆者は知らない。

◯しかし、そのような体制内の学者が、体制の秘密に迫ろうとした内容の本書を、
 全く正体を隠して発表しなければならなかった事情は良く分る。

◯現体制内に深く入り込んで居た本書の(本当の)著者だからこそ発見し得る
 多くの秘密が、ここに、さらけだされて居る。

◯百頁そこそこの小著であるが、その価値は著しく高いであろう。

 (了)

 




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