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ジョン・グレイ(英国ロンドンスクール・オブ・エコノミクス LSE ヨーロッパ思想教授)とは何者か、そして彼の著書「わらの犬」(老子から)(二〇〇二年)

公開日時:2008年06月21日 23時57分
更新日時:2008年06月22日 01時30分

平成十八年(二〇〇六年)二月十三日(月)
(第一千五百八十四回)

◯ジョン・グレイ「わらの犬-人間と他の動物たちについての考察」
  john gray
  straw dogs: thoughts on humans and other animals
  二〇〇二年、二〇〇三年

◯この本は、ジェームズ・ラブロックの最近の著作「地球の復讐」
 (the revenge of gaia, by james lovelock 二〇〇六年二月)
 の七頁に引用されて居る。

◯「わらの犬(straw dogs)」とは何のことか、

◯と、思って読んで行くと。

◯巻頭に「老子」の有名な一句が掲げられて居る。曰く。

  heaven and earth are ruthless, and treat the myriad creatures
  as straw dogs

  lao tzu

◯つまりこの表題は「老子」から引かれて居るのである。

◯ジョン・グレイ(john・gray)、

◯これは英国ではとてもありふれた名前であろう。

◯従って、この名前の英国人、米国人は多い筈だ。

◯この本の著者のジョン・グレイは、オックスフォード大学政治学教授。
 そして今は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(ロンドン経済大学)
 のヨーロッパ思想の教授、だと言う。

◯彼は、以前は、新右翼の支持者であった、しかし、それから意見を変えて、
 今ではいわゆる保守、又は社会民主主義などの既成の党派イデオロギーは、
 無意味と化した、と見て居ると。

◯現在では、ジョン・グレイは、ジェームズ・ラブロックの「ガイア理論」
 に同調的である。

◯著者ジョン・グレイの言うところによれば、この本は、
 リベラル・ヒューマニズム、
 ヒューマニズム(人間主義,人間中心主義,人間至上主義)

◯この現代思想に対する批判と攻撃と否定の書であると。

◯この立場で、彼は、
 西洋のいわゆる保守派も、いわゆるネオコンも、いわゆるリベラル派も、
 いわゆる社会民主派も、そしてその背景にあるキリスト教も、更に西洋
 思想の源泉としてのソクラテス、プラトン以降のギリシャ哲学も、

◯まとめてゴミ箱に投げ捨てる。

◯彼は、古代東洋(インド・中国)に目を向ける。

◯こんなことを敢えて発言する人が、

◯オックスフォード大学政治学教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
 (LSE)の哲学教授、だって?

◯今の日本の白痴化の度を強めつつある自称インテリ階級には、

◯夢想も出来ない。

◯しかし本書には、
   デーリー・テレグラフ
   ニュー・ステーツマン
   ロンドン・タイムス
   スペクテター
   サンデー・エクスプレス
   オブザーバー

◯などの、
 本書を非常に高く評価する、マスコミ上の書評が、紹介されてある。

◯そして本書は、英国に於て、二〇〇二年を代表する著作に選ばれたと言ふ。

◯この著者ジョン・グレイについて、今まで日本で論評、翻訳は或る程度
 なされて居るが、ここでは省略する。

◯本書と、その著者については、今後、検証して行く。

 (了)

 




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