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三島由紀夫は亡くなる一ヶ月前、
「オレは本当は宮中に乗り込んで天皇を殺したい」と語ったと言う(磯田光一)、そのことの意味。

公開日時:2008年06月21日 22時35分
更新日時:2008年06月21日 23時21分

平成十八年(二〇〇六年)一月二十七日(金)
(第一千五百六十七回)

◯Will
 二〇〇六年三月号、二百四十六頁~二百五十七頁。

◯堤堯
 三島由紀夫との二時間(3)

◯ここに、「新潮」一九八六年八月号、
 磯田光一(文藝評論家)の言が引用されてある。曰く、

  三島さんが亡くなる一ヶ月前、ジカに聞いたとして、こんな言葉
  を伝えた。「オレは本当は、宮中へ乗り込んで天皇を殺したい」、
  と。(『ウィル』、前出、二百四十九頁)

◯同じ頃、編集者某が友人から聞いた話として三島は、
 「いま一番殺りたいのは天皇だ」......と語ったとある。

◯三島が昭和天皇を殺したい、と思ったその動機、その背景は、

◯二・二六事件に対する昭和天皇の言動にあるだろう。

◯つまり、磯部浅一が三島に憑依した結果であると。

◯磯田光一が、一九八六年八月号の「新潮」でこのように記して居た、
 と言うが、あいにく筆者はそれに気付かなかった。

◯筆者の記憶では、この一件が、他のどこかで論じられたことはない。

◯孝明天皇はたしかに、岩倉、長州の逆賊集団によって弑逆された。

◯孝明天皇弑逆の実行隊長は、長州の下忍伊藤博文であり、そして
 この天皇弑逆犯は、罰せられるどころか、

◯その後、日本の内閣総理大臣に四回就任して居る。

◯「大日本帝国憲法」なるしろものも起草した。

◯睦仁新天皇も弑逆され、

◯木戸(桂)=伊藤博文の子分であった大室寅之祐を

◯明治天皇にスリかえた。

◯従って、生涯「明治天皇(=大室寅之祐)」は、長州閥の
 傀儡として行動した。

◯大正天皇はひかえ目に言っても精神薄弱者である。

◯ところが「昭和天皇」は、明治天皇とも、大正天皇とも完全に
 異質な天皇となった。

◯二・二六青年将校にはそこのところが分からない。

◯三島にもそれが見えて居ない。

◯「昭和天皇」には、日本の歴代天皇と、日本の歴史的伝統から、
 完全に断絶した言動が、多々存在する。

◯しかし、その中から一点だけ挙げるとすれば、

◯それは、日本の天皇が、有史以来始めて英国王室に心底親しみ、
 英国王室に日本の皇室の手本、モデル、見本、理想像を見た、
 と言うところに存在するであろう。

◯もちろん、それだからと言って、
 昭和天皇が、英国王室の本質を理解した、とは成らない。

◯昭和天皇は英国王室の表面のごく一部だけを見たに過ぎない。

◯三島の思想的水準は、日本人なみに恐ろしく低俗である。

◯従って彼には、物事の本質が全く分からない。

◯彼の一生は、ヤミクモに右往左往しただけ。

◯三島は最晩年、ニーチェを読みふけったと言う。

◯シオン長老の議定書は、
 我々(シオンの長老)は、ゴイムを操作するために、ニーチェ、マルクス、
 ダーウィンのイデオロギーを用意したと述べて居ることを、ここで改めて
 想起する必要があるだろう。

 (了)

[参考文献]

 (1)太田龍著「血塗られた英国王室」(雷韻出版)

 (2)ジョン・ダニエル著「スカーレット・アンド・ザ・ビースト」
    (英文、全三巻、未邦訳)

 (3)ラムゼイ大尉著「無名の戦争」(英文、未邦訳)

 (4)クヌース著「シティーの帝国」(英文、未邦訳)

 (5)デーヴィット・アイク著「大いなる秘密」(上下二巻、三交社)

 




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