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イルミナティ陰謀論を研究しない故鹿島昇氏の致命的な限界と誤謬。

公開日時:2008年06月21日 00時59分
更新日時:2009年03月02日 23時19分

平成十八年(二〇〇六年)一月七日(土)
(第一千五百四十七回)

◯故鹿島昇氏は、

「裏切られた三人の天皇」「明治維新の生贄」「日本侵略興亡史」

の三冊の古典的著作に於て、孝明天皇父子弑逆事件と、大室寅之祐
スリカエ明治天皇問題を、十分に論述した。

◯この問題についてのまともな日本民族有志の研究は、ここから出発
しなければならない。

◯しかし、昭和天皇、昭和期の問題については、
鹿島昇氏は、「昭和天皇の謎」(一九九四年、新国民社)と言う、
比較的小さな著述しかない。

◯この中で、昭和天皇独白録から、次の引用がなされて居る。

「・・・・・・開戦前の日米交渉時代にもし日独同盟がなかったら米国は
安心して油をくれたかもしれぬが、同盟があるために日本に送った
油がドイツに回送がされはせぬかと言う懸念のために交渉がまとま
らなかったのではないだろうかと思う。」

◯昭和天皇のこのような発言について、鹿島著は、

「このあたりはくわしく研究しなければならないと思う。」
(前出、百二十二頁)

◯と述べて居る。

◯ここのところに、
故鹿島昇氏の救いようのない、通俗性、凡俗性、ユダヤフリーメーソン
イルミナティの陰謀を全く視野の外に置き、それを研究することを拒否
する、その限界がなまなましく露出して居る。

◯それにしても、「昭和天皇」の前出の発言の驚くべき幼稚な低水準さは、
呆れる他ない。

◯鬼塚英昭著「二十世紀のファウスト」(平成十七年十二月)

◯ここに、
「世界権力」が第二次世界大戦中、どのようにナチスドイツに対して、
十二分な石油を供給し続けたかについて、

◯詳細に論証されて居る。

◯そして、米英の世界石油メジャー資本の石油を戦時下ナチスドイツに

石油を運ぶ役割は、ギリシャ系のオナシスに与えられた。

◯ドイツに石油を運ぶオナシスの会社の船は、
あの第二次世界大戦下、米英ソ連連合軍の攻撃を受けることなく、
完全に、安全を保証されて居た。

◯と、「二十世紀のファウスト」は記述して居る。

◯このことを、
「昭和天皇」は、本当に知らなかったのであろうか。

◯多分、知らなかったであろう。

◯昭和天皇のみならず、
日本の陸海軍、日本の政府も、知らなかったらしい。

◯これは一体何のことか。

◯しかし、その当時も今も、

◯日本の自称エリート(実は単なるバカ、単なる白痴)は、

◯石油資源を持たないドイツが一体、第二次世界大戦下の作戦を遂行
するために、

◯どのくらいの石油を必要としたか、

◯そしてそれはどのようにしてドイツに入って来たのか、

◯それを計算して見る。

◯と言う発想をしないのである。

(了)


●[注]

◯前出、第二次世界大戦期、世界権力の指令の下、オナシスの船会社に
よってナチスドイツに石油が供給された件については、「二十世紀の
ファウスト」、百三十四頁以下、百五十一頁以下、二百十六頁以下を
参照。

◯ちなみに、このオナシスは、後年、
ケネディ米大統領の未亡人ジャクリーンと結婚して居る。

 




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