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一月二十日付、ヨーロッパ在住の読者から送られて来た「大恐慌戦略」。
そして、それについての若干の論評。

公開日時:2009年01月27日 00時03分
更新日時:2009年02月27日 23時07分

平成二十一年(二〇〇九年)一月二十六日(月)
(第二千六百七十九回)

〇一月二十日、ヨーロッパ在住のある読者有志から送られて来た
「大恐慌戦略」と言う小論説。

〇これは既に、週刊日本新聞ウエブサイトの「論壇」に掲載してあるが、
ここに改めて、引用掲載して、若干の論評を付記する。


「大恐慌戦略」

現在、進んでいる金融危機や大恐慌による世界経済の破壊戦略についてです。

このやり方、実は三国史に描かれている【赤壁の戦い】で曹操が見事、龐統の計
に引っ掛かった【連環の計】現代版です。

つまり、現代の【連環の輪】は金融システムと実体経済のグローバル化で、非常
に強固に世界金融と実体経済システムが結ばれてしまったのです。

このように、強固に結ばれた各国の金融と実体経済のシステムは、瞬時に各国の
金融と実体経済に連動するよう構築されていました。
そこへ、サブプライム問題という最初のちいさな爆弾の破裂です。

その時に気づいておればよかったのでしょうけれど、巧妙に張り巡らされた罠は、
皆をしてそうはさせてくれませんでした。

これによって、各所に仕組まれた爆薬は次、次と爆発、炎上ー不動産、クレジット、
債券、株式、商業用不動産証券・・ などの金融資産は炎上し、火の手は早く世界中
で繋がれた船(金融会社)はどんどん炎上。
物を作る会社(船)が次々炎上、川底へ沈没して行くでしょう。
最後にはCDSの破裂が待っている。

残念ながら、用意周到に準備されたこの【連環の計】から、逃れるすべはない。
今できることは、いち早く逃げるのみでしょうか。大被害を覚悟の退却。曹操はいち
早く身の危険を感じ取り。

単身逃げ延びて助かりました。
被害状況があまりに大きいために茫然自失し、また火の回りが早く。逃げ遅れ川底に
沈んだ兵士がほとんどでした。・・しかし曹操は賢かった。

残念ながら。今までの動きをみると、
この現代の【連環の計】すべてを焼き尽くすくらいの大きさの爆薬の準備と、火の回り
の速さを持っているようです。

そうなると、残る道は一刻も早く一致団結、船が沈没したり、炎と煙に道をふさがれる
前に逃げおおせ、体制を組みなおす道しか残されていないような?

敵を知ることが大事ですが・・いろいろな、情報やニュースを見ると、彼らは、今回す
べてを焼きつくそうとしているように見受けられます。

今は、皆がいち早く逃げないよう、甘言や甘い(オバマ)を希望をちらつかせ船から離れ
ないようにしていると感じます。

早く退却を待ったなしの、をです。逃れる道だけを見つめて・・・・・

[原文ママ:引用終わり]


〇この人は、比較的長期に、ヨーロッパで生活して居られる方のようである。

〇最近、コールマン、アイクの日本語版を注文されて読みこなし
目が開かれたと言っておられる。

〇ここでは、あの有名な「三国志」の「赤壁の戦い」と、そこで用いられた「連環の計」
が引き合いに出されている。

〇「三国志」は、吉川英治著によって、日本の広い読者層に知られるようになり、

〇更に、横山光輝のマンガ本「三国志」(全六十巻)もある。

〇横山本では、「赤壁の戦い」は、第十三巻にある。

〇たしかに、今のイルミナティサタニスト世界権力の作戦は、「赤壁の戦い」に於ける
「連環の計」を連想させるであろう。

〇三国史記の時代、日本は、「ヒミコ」より以前である。

〇国家社会の発展段階では、日本は、当時の中国と比較にもならない。

〇従って、「赤壁の戦い」を日本人は、到底、実感することは出来ない。

〇今、イルミナティが、展開しつつある全世界を焼き尽くすべき現代版
「連環の計」についても、

〇これは、同時代的に進行しつつあるにも拘らず、日本人にとっては、
ヒミコ以前の日本人が赤壁の戦いを実感出来ないのと同じ。

〇まるで現実感覚を持ち得ないであろう。

〇それは何故なのか。

〇ともかく、前出の小論説「大恐慌戦略」の結論は、

〇「三十六計、逃げるに如かず」。

〇曹操はいち早く逃亡したのであるが、

〇今、どうなのか。

〇一九七一年、即ち、三十八年前に出版した拙著。
「辺境最深部に向って退却せよ」(三一書房、絶版)を想い出す。

〇しかし、「辺境最新部」とは、何なのか。

〇超古代東洋の思想は、
それを「無」「空」としたのだが。

(了)


【注】

[ここでの基本的参考文献は]

◎坂元邁(ツトム)著、五部作
(いずれも絶版。コピー本は日本義塾出版部で取扱中)

※坂元邁著「UFOは第二の黒船だ」
※坂元邁著「マイナスの科学」
※坂元邁著「自然科学上の世界観を変えろ」
※坂元邁著「地球維新」
※坂元邁著「世界維新」

◎胡蘭成著 漢文全集全九巻(台湾、朱天文発行)

◎胡蘭成著 日本語著作全六巻
(いずれも絶版。コピー本は日本義塾出版部で取扱中)

「天と人との際」(花曜社・昭和55年)
「自然学」
「心経随喜」(筑波山梅田開拓筵、一九六八年)
「建国新書」(中日新聞社東京本社東京新聞出版局、一九六八年)
「中国のこころ」(明徳出版社、1956年))
「日本及び日本人に寄せる」(日月書房、1979年)

 




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