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五木寛之
「人間が地球の主人公である時代は終わった」
「人間は地球の凶悪な寄生虫である」
「日刊ゲンダイ」(21.1.1)

公開日時:2008年12月30日 23時00分
更新日時:2009年02月08日 20時29分

平成二十年(二〇〇八年)十二月三十日(火)
(第二千六百五十二回)

〇「日刊ゲンダイ」2009年1月1日号(12月29日発行)。
第4面。

〇特別寄稿、五木寛之
「ヒューマニズムの終わりと漂流する世界の始まり」

〇これは、現代日本の体制内マスコミ上に公表されたものとしては、
重要な文章であるだろう。

〇以下にその要点を列記する。

(1)昨年からの世界金融の混乱は、一時的な景気の循環ではない。

(2)それは五百年に一度といっていい、歴史の大変動なのである。
ルネッサンス以来の世界文明の土台が揺らいでいるのだ。

(3)いま漂い始めたものはヒューマニズムの世界である。

(4)ヒューマニズムがいま、大きく崩れつつある。

(5)人間が地球の主人公である時代は、終わったのだ。

(6)人間は地球の凶悪な寄生虫である。

(7)社会主義もダメ、資本主義もダメ、ヒューマニズムもダメ、
となった後に何が残るのか。

(8)いま始まっているのは、五百年に一度の世界の大混乱期であり、
人類の魂の大恐慌なのだ。
...............
...............

〇筆者は、三十数年前、一九七〇年代の初め、
五木寛之さんと、一度、話し合ったことがある。

〇そのとき、五木さんが
本音は未だとても言えないよ、
と言はれたことは、ずっと記憶に残っている。

〇その、五木さんの本音、少なくともその一部は、前掲の日刊ゲンダイの文章なのか。

〇それは、何とも言へない。

〇五木さんの世界と筆者の世界は、少々は重なるところがあるだろう。

〇ついでに「人間の覚悟」(新潮新書、五木寛之著)も目を通した。

〇「人間は地球の凶悪な寄生虫である」と。

〇これは一応は正しい。

〇しかし、ここでの「人間」には、適切な條件を付けなければならない。

〇その條件については、他の場所で詳しく述べているのでここでは省略する。

(了)

【注】

◎前出、五木寛之論文と同趣旨の文章は、マスコミ上、その他に、幾つか、
見ることが出来る。

その一つは、鈴木孝夫論文(『別冊文藝春秋』誌上、人類は総退却すべきとき、
の趣旨)

◎進藤先生の著作。

◎本格的なものとしては、胡蘭成漢文全集、全九巻。

 




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