平成二十年(二〇〇八年)十一月八日(土)
(第二千六百回)
◯「月刊日本」の最近号で、
「ファシズムは甦るか」と言う趣旨で、佐藤優氏とヴルビッタ氏(イタリア人の
学者、ムッソリーニ研究家、と言うよりはムッソリーニのファシズム思想支持者)
の対談がなされたことについては、
◯既に筆者は、別なところで論評した。
◯日本で、ファシズムは甦るか?
どころの話ではない。
◯今、まさに、我々の目の前で、そして全世界の人々の前で、アメリカに於いて、
オバマを主役として、ポストモダンファシズムが登場しつつあるのだ。
◯そのことも、アメリカの反体制的政治批評の尖端を疾走する、W・G・タープレイは、
我々に教えてくれる。
◯第一次世界大戦と、第二次世界大戦の戦間期(一九一八~一九三八年)の二十年に、
◯世界が未だ嘗て見たことのない、
「ファシズム」と言う新しいイデオロギーと政治運動、ファシズム革命、そして
ファシズム国家体制が出現した。
◯それは、イタリ-(ムッソリーニ)に生まれ、ドイツ(ヒトラー)でより高い水準
に発展し、次に全世界に波及した。
◯日本では、このファシズム体制が成立したのか。
それとも成立しなかったのか。
◯この問題は、第二次大戦後の日本で、ずい分と議論されたが、グズグズと迷走した
挙句の果てに、何の結論も得られずに、その問題それ自体が消え失せた。
◯しかし、タープレイは、
今、アメリカに登場したオバマを表面の顔とするファシズムは、
一九三〇年代型ファシズムとは別物である、と言う。
◯それは、「ポストモダンファシズム」である、と。
◯そのことは、
タープレイ著「オバマ-ポストモダンクーデター」(二〇〇八年六月)
(日本版『オバマ、危険な正体』、成甲書房、十二月上旬刊予定)に詳しく述べられ
てある。
◯ヒットラーが、第一次世界大戦後の敗戦国ドイツで政治の舞台に登場したとき、
その党の中核は僅か数十名、ビアホールで集会する程度のものであった。
◯この党が十数年後には、何千万人を動員する党に成長してドイツの国家を動かすの
である。
◯オバマの政治運動が、どのようなものに化けるのか。
◯欲呆けして完全な痴呆症と化した(まさに『麻生太郎』はその象徴だ)今の日本人には
夢想も出来ないであろう。
◯「ニューズウィーク」(2008年11月12日号、十八頁以下)は、
◯「世界の大統領、その名はオバマ」、と言う。
◯これは単なる放言ではない。
◯「ミッドナイト・メッセンジャー」二〇〇八年九、十月号。
ベリト・ショス(berit kjos)「オバマの"世界奉仕"軍」
◯これはきわめて重要な論文であるので、「週刊日本新聞」562号(20.11.17)以降に、
邦訳連載する。
◯更に、「週刊日本新聞」五五九号(20.10.27)二、三頁
"オバマ「世界奉仕軍」とは何のことか?"
という論文参照のこと。
(了)
【註】
◎この時事寸評(20.11.8)には、とてつもない超重要なテーマが、提出されて居るので、
今は、なにも分からないかも知れないが、後日、くり返して、読み直して頂きたい。
◎日本義塾十二月公開講義(十二月十七日)では、このテーマについても説明する。
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