平成二十年(二〇〇八年)十月二十六日(日)
(第二千五百八十七回)
◯一九七〇年代、日本は、
「ナンバーワン(世界一)としての日本」、などと、アメリカの学者(CIAの
アセットとしての)におだてられて日本人の殆どは、それを真に受けた。
◯ブタもおだてれば、木に登る。
とはこのことだ。
◯しかし、こんな時代に、ブレジンスキーは、
◯「ひよわな花、日本」、
と言う本を書いて、日本人に冷水を浴びせかけた。
◯「ひよわな花」は英語では
「フラジャイル(fragile)」である。
◯「フラジャイル」は、脆い、と訳される。
◯張り子のトラ、砂上の楼閣、ちょっと突っつけば、ガラガラと壊れるようなしろ
もの、と言う。
◯「世界一としての日本」とおだてられて、良い気持ちにさせられていた日本人は、
ブレジンスキーのこの本にイヤな顔をした。
◯キッシンジャーは、外交官的存在である。
日本人がイヤなことは、外交辞令に包み込んでしまう。
だから、日本人は、キッシンジャーが大好きである。
◯ブレジンスキーは外交官ではない。
◯ブレジンスキーのキァリアには、外交官的職務はない。
◯彼は、戦略家である。
従って、外交官的レトリックに、用はない。
◯ブレジンスキーは、一九七三年、デーヴィット・ロックフェラーと共に
日米欧三極委員会を創設した。
◯彼は三極委員会の共同創立者であって、その資格に於て、三極委の代表者。
その指揮官と言ってよい。
◯三極委の仕事の一つは、
「めざわりな日本を片付けること」である。
◯そしてこの仕事(日本を片付ける)は、そのあとの二、三十年のうちに概ね、
実現された。
◯つまり、ブレジンスキーによって、日本は片付けられたのである。
◯しかし、日本人は、そしてとりわけ、日本のエリート権力者階級(実はイルミ
ナティのイヌ、走狗の群れ)は、ブレジンスキーを心底から嫌っている。
◯従って嫌いなヤツは、この世にいないことにしてしまう。
◯それが、「精神衛生上」最善である、と言う。
◯オバマがブレジンスキーの傀儡である、と言うW・G・タープレイのことばには、
日本人は、イライラさせられる。
◯そこで、そのことも、ないことにしてしまう。
◯これは、喜劇である。
◯十月二十五日のベンジャミン・フルフォードさんのホームページにオバマは、
ハワイでイラン大統領と秘密会談、と言う情報を紹介している。
◯フルフォードさんは、
W・G・タープレイの「オバマ―ポストモダンクーデター」(二〇〇八年六月刊)と、
そのあとのタープレイの論文を読んでいるかいないか、私は知らない。
◯ブレジンスキーは、ネオコン/ブッシュ陣営のイラン敵対政策をキャンセルして、
イランを西側のアセットとしてとりわけ、イランをロシア包囲網の中に組み込む作戦
である、と、タープレイは述べて居る。
◯ハワイで、オバマがイラン大統領と秘密会談をしているかどうかは知らないが、
◯そうであってもなくても、
ブレジンスキーの手下としてのオバマは、ブレジンスキーの戦略実行のための忠実な
コマとして、現に行動しているのである。
(了)
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