平成二十年(二〇〇八年)八月二十七日(水)
(第二千五百二十七回)
◯本日(2008年8月27日)、
以下のような、2008年8月21日付け、米国、オレゴン州シェリダンの
連邦刑務所に収監されて居る、フリッツ・スプリングマイヤーさんの手紙を受け
取ったので、最初に、その英語原文、その次に筆者による日本語訳を掲載する。
【英文】
august 21, 2008
dear ohta-san
i am happy to inform you that the money you generously sent to the
court finally was applied to my fine. my account balance is entirely
paid. thank you very much. i don't know how to thank you enough.
the japanese people are a beautiful people, i miss all my japanese
friends. it will take some hard work, but someway, somehow i will
get permission to leave the u.s.a. and move to japan.
i will keep this letter short. if there is anything i can do for you,
let me know. hopefully you are doing fine, and are in good health...
let me know how you are doing? thank you again.
with best wishes,
fritz(サイン)
japanese proverbs:
feiendship is the marriage of the soul.
kindness is not just for the sake of others.
life in this world consists in mutual helpfulness.
【日本語訳】
親愛なる太田サン
(オレゴン地区)裁判所は、あなたが私の罰金として厚意を以て送ってくれた
おかねを最終的に、私の罰金の支払に充当した、との情報をお知らせ出来ること
を、私はとっても嬉しく感じています。私の罰金の支払いは、完全に終りました。
私は、ことばでは言い尽くせないほどのあなたへの感謝の意をここに表現いたし
ます。
日本人の人々は、ビューテフルな(心の美しい)人々です。アイ・ミス・オール・
ジャパニーズ・フレンド(この意味が、よく取れない)。前途にはかなりの困難
があるでしょう。しかし、どんなことをしても、私は米国を出国して、日本に
移住する許可を得なければと、と思っています。
私は、この手紙は短いものとします。あなたのために私がなし得ることがあれば、
それを私に知らせて下さい。あなたがお元気で居られることを願います。そして
健康におくらしであること。あなたは今何をしていますか?それも、教えて下さい。
もう一度、ありがとう。
ウィズ・ベスト・ウイッシュズ
フリッツ
日本のことわざ:
◎友情は魂の結婚である。
情けは人(他人)のためならず。
相身互い。
二〇〇八年八月二十一日
◯このスプリングマイヤーさんの手紙について、若干の説明をして置く。
◯二〇〇七年、秋から、スプリングマイヤーさん、及び、彼と筆者の関係について
或る種のトラブルが發生した。
◯しかしこのトラブルは、二〇〇八年五月までに、ほぼ解消した、と言って良いで
あろう。
◯五月末から六月末にかけて、スプリングマイヤーさんから、筆者は、次のような
伝言を受けた。即ち、
(1)二〇〇三年、スプリングマイヤーさんは、
「懲役九年半」、「罰金一万七千ドル」の判決(これは完全なデッチ上げ
である)を受けた。
(2)「罰金一万七千ドル」については、
彼には、全くおかねがなく収入もないので、支払うことが出来ない、ごく
少々の刑務所での労役報酬を、その支払いにあてて、四千ドルを支払った。
しかし、未だ一万三千ドル残って居る。
(3)あなた(太田)がこの一万ドル、できれば一万三千ドルを私(スプリング
マイヤー)のために、裁判所に支払ってほしい。
と。
◯六月下旬、筆者はこの伝言を受けると、すぐに、承知した旨の手紙をスプリング
マイヤーさんに手紙を送ると同時に、
◯週刊日本新聞紙上で、このおかねの寄付を呼びかけた。
◯すると、すぐに熱心な二人の読者から一万四千ドル相当の日本円の寄付があり、
◯そして、そのことをスプリングマイヤーさんに手紙でお知らせした。
◯そのあと、六月二十八日付けのスプリングマイヤーさんの筆者当ての手紙が、
七月五日、届いた。
◯この手紙の日本語の大意は、
「週刊日本新聞」五四五号(20.7.15)に掲載されて居る。
◯ここで、スプリングマイヤーさんは、
まず、一万ドルの小切手を、オレゴン地区裁判所あて、スプリングマイヤーさん
の名前、そして事件番号を記入して、郵送すること。
それから、正確な不足分を知らせるので、二回目にその不足分を小切手でオレゴン
地区裁判所に郵送するように。
◯とのことであった。
◯そこで、筆者らは、彼の指定通り、
七月十九日に一万ドルの銀行小切手をオレゴン地区裁判所に、
七月二十九日に、残額二千七百九十二ドルの銀行小切手を同所に、
スプリングマイヤーさんの名前で郵送した。
◯そして、今、八月二十一日付けのスプリングマイヤーさんの前出の手紙が、
筆者のところに到着したのである。
◯ここでは、とりあえず、以上の経過を有志の皆さんにご報告する。
(了)
【註】
◎この件については、「週刊日本新聞」のいくつかの記事など参照のこと。
◎今後、当「時事寸評」で、必要に応じて続報する。
【iguchiさんから投稿: 文の意味】
いつも興味深く拝見しています。スプリングマイヤーさんの手紙の中の
i miss all japanese friends. という文の意味は、口語で使う i miss you.
(私はあなたに会えないでいる=私はあなたに会いたくても会えないで寂しい)
と同じような意味です。
すなわち、 「私は日本人の友たちみんなと会えないで寂しいです。」
という意味です。 では、さらなる御活躍心より願って止みません。 敬具。
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