平成二十年(二〇〇八年)八月二十四日(日)
(第二千五百二十四回)
◯梅田望夫、と言うひとが、平成二十年八月二十三日付け産經新聞一頁コラムで。
◯英語圏と日本語圏とではネット空間の雰囲気がまったく違う。
知的に幼い日本語圏ネット空間と比べ、英語圏ネット空間では知の圧倒的充実
が進む、
◯と言った趣旨のことを書いて居る。
◯筆者は、コンピュータを使わないし、従って「ネット空間」にも、直接、参入
することはないが。
◯しかし、にも拘わらず筆者も、前記、梅田望夫の評価と、同じ印象をもって居る。
◯日本人の日本語によるネット空間は幼い。
つまり、幼稚であると。
◯幼稚園、と言うように、幼稚とは、小学校以前、学令以前である。
◯今日の日本人の全体が幼稚化して居るので、ネット空間も、幼稚化するのであり、
◯しかも、日本人は、自分たちのこの幼稚さを自覚できない。
◯これでは、永久に救いがないであろう。
◯二〇〇八年一月創刊の「日本主義」と言う季刊誌の編集部のお方が、八月二十二日の
日本義塾にお見えに成り、その方たちから、一、二、三号を頂いた。
◯それを通読すると、
◯一篇、注目にすべき文章を見た。(第三号、学生ボランティアが見た拉致問題)
◯それは、北朝鮮によって拉致された日本人を救出する運動のボランティアを、一年
くらい続けて居る、一人の女子大学生の手記である。
◯このひとの論旨を要約すると、
(1)一年間ボランティア活動をして得た結論は、日本と言う国はとてもおかしい
国だ、と。
(2)普通の国なら、家族の一人が行方不明に成れば、残された家族は、警察に届ける
であろう。
(3)そして警察はすぐに捜査活動を始めるだろう。
(4)短い期間に、何百人(もっと多いかも)と言う日本人が行方不明に成り、警察が
それを捜査すれば、
(5)必然的にそれは日本政府と日本国にとっての一大政治問題に成るであろう。
(6)ところがなんとまあ
警察は一切捜査しない!!のである。
(7)その状況が、三十年もつづいて居ると。
(8)しかも、この件には、北朝鮮がからんで居ると。
◯それでどうなるのか、またはどうすべきか。
◯家族を北朝鮮に拉致された人々は、日本政府を糾弾すべきである。
◯ところが、家族を拉致された人々の運動は絶対に日本政府を糾弾する方向にいかないと。
◯本当にへんな国、おかしい国だ、と。
◯この女子学生は、まったく、あたり前のことを言って居る。
◯ところが、奇妙奇天烈なことに、今の日本ではこのあたり前の意見が通らないのである。
◯この状況は、幼稚化、ですらない。
◯これは、幼稚化、と言うよりも「白痴化」と言うべきであろう。
◯もちろん、前出の女子学生は、
「王様は裸だ!!」
と大きな声で、見たままを叫ぶ子供、のレベルである。
◯大人は一体、なぜこんなべら棒なことが起きたのか、その理由、原因、その構造を研究し
なければならないだろう。
◯この女子学生が、今後その方向に成長するのかどうかそんなことは分からない。
(了)
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