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二〇〇八年八月十六日、日本に於て、ラミロ・レイナガ(ワンカール)のタワンティンスーユ復活再建の戦いを支持し、連帯する会(仮称)が、設立されたことの宣言。

公開日時:2008年08月18日 23時05分
更新日時:2009年02月10日 21時01分

平成二十年(二〇〇八年)八月十八日(月)
(第二千五百十八回)

◯二〇〇八年(平成二十年)八月十六日。
日本に於て、「ラミロ・レイナガ(ワンカール)の、タワンティンスーユ復活再建
の戦いを支持し、連帯する会(仮称)」が設立された。

設立代表 太田 龍
事務所  〒112-0001
東京都文京区白山5-35-12 太田龍方
電 話  03(3813)7825

◯ラミロ・レイナガ(ワンカール)の経歴については、ここでは、省略するが、
参考文献としては、以下の三点を掲示する。

(1)ワンカール(ラミロ・レイナガ)著、吉田秀穂訳
「インカの抵抗五百年史-タワンティンスーユの闘い」
(一九九三年、新泉社、絶版)
(スペイン語原著は、一九七九年、一九八一年)

◎巻頭、著者ワンカール(ラミロ・レイナガ)の「日本語版への序文」
(一九九一年十月)

◎巻末、訳者(吉田秀穂)あとがき

(2)「話の特集」(一九八三年八月号)
ラミロ・レイナガ、太田龍の対談「ラミロ・レイナガさんを日本にむかえて」

(3)「同時代批評」(一九八三年)
太田龍「第三世界の革命-南米インディオ解放運動の立場から」

◯ちなみに、この本の訳者、吉田秀穂氏は、この本を翻訳されたとき、
アジア経済研究所の中南米問題の専門研究者であった。

同氏は、この本の価値を認めて、ボランティアで十年かけて一人で翻訳を
完成された。

◯筆者は、ラミロ・レイナガ(ワンカール)を

一九八二年、
一九八三年、
一九八五年、
と、三回、日本に招待して居る。  

◯ワンカール(ラミロ)は、本書の「まえがき」の中で、次のように記して居る。

「本書は、その血の中に永遠のアンデスをアイディンティティーとする者たち
に待ち望まれた本である。もしも本書が彼らの思想の糧になるなら、本書は、
民族の歴史を二つの時期に分けることができるに違いない。本書の出現以前
と以後とにである。」(吉田訳、七頁)

◯本書のスペイン語が、ボリビアで出版されて、間もなく三十年に成る。

◯しかし、未だ、ラミロ(ワンカール)の高度できわめて深遠な思想は、
アンデスのタワンティンスーユの子孫たちによって、十分に消化されるに至っ
て居ないようだ。

◯二〇〇五年末、本書(スペイン語版)の海賊版の発行販売者たちが、
ラパスの街頭で日中公然とその海賊版を販売していた。

◯ラミロ(ワンカール)が、それに抗議すると、
その海賊版販売者たちの集団は、ラミロ(ワンカール)に襲いかかって来た。

◯ラミロの生命は、危険な状況となり、正当防衛のためにピストルを発射して
危うくその危機を逃れた。

◯すると、ボリビアの警察は、逆にラミロ(ワンカール)を逮捕投獄し、
裁判にかけた。

◯二〇〇八年八月六日ラパスの裁判所は、ラミロ(ワンカール)を、七年間、
ラパス中央裁判所に投獄するとの判決を下した。

◯ラミロは、一九三九年七月二十五日生まれ、現在、六十九才である。

◯ボリビアのスペイン植民地占領権力は、ラミロ(ワンカール)を、一生、
牢獄に幽閉して、永久に彼の発言を封殺するつもりであろう。

◯一九八二年以来、今日に至るまで、筆者の魂のもっとも深いところに、
棲みつづけている盟友、ワンカール(ラミロ・レイナガ)を支援するために、
ここに、彼の闘いに連帯する会の設立を宣言すると共に、日本民族有志の
支持協力を訴える。

平成二十年八月十八日

(了)


【註】

◎彼ワンカール(ラミロ)は、彼の最後の著作となるかもしれない大著
「スピリットと宗教」を完成させるために全力を尽している。

◎彼が、今住んでいるラパスの部屋には屋根がない?!
つまり、吹きさらしである。
八月のラパスは、真冬である。

海抜三千メートルクラスのラパスの冬は、非常に寒い、彼の頭は熱い、
しかしペンを持つ彼の手は凍えている、彼は手をしょっちゅう頭にあてて、
あたため......

などと書いて来た。

◎南米のインディオのくらしは、みんな多かれ少なかれこんな具合であろう。

 




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