平成二十年(二〇〇八年)七月二十三日(水) (第二千四百九十二回)
◯W・G・タープレイは、レンズ・コム、二〇〇八年七月二十日、 ブレジンスキー/オバマ陣営が、既に、十一月初旬の米大統領選挙と総選挙 (下院の全部と上院の一部)の結果が確定するのを待つことなしに、米国国家 権力の中枢を掌握した、と言う論旨を詳細に展開した。
◯我々は、W・G・タープレイサイドと相談して、その許可と版権が得られれば、 全文(英文でA4、十頁)を日本語に翻訳して日本人有志に紹介したい。
◯W・G・タープレイによれば、二〇〇八年五月から六月、七月上旬にかけて、 米国の国家権力は「チェイニー/ネオコン」派から 「ブレジンスキー/オバマ/三極委員会」派へと、移行した、と。
◯それは単なる人脈の変化ではない。
◯それは明確な政治路線、戦略戦術のきわめてドラスティックな変化であると。
◯この論旨は、W・G・タープレイの新著「オバマ―ポストモダンクーデター」 (二〇〇八年六月一日刊)の中に展開されて居る。
◯この「オバマ……」の記述は、二〇〇八年三月、四月くらいまでのものである。
◯この本が出版されたあと、米国の政治情勢はタープレイが予見した方向へ、 決定的に進行した、と。 ◯ブレジンスキーの背後には、ロンドンがひそむ。
◯タープレイが「ロンドン」と呼ぶ勢力は、
ジョン・コールマン博士が、「三百人委員会」と定義し、 クヌースが「シティの超世界帝国」とするもの、 アイクが、イルミナティ世界権力と言ふ、 それらの論者の指摘するものと重なる。
◯「ロンドン」が世界権力の中心である、と言う論旨については、
リンドン・ラルーシュ(EIR誌)、 スプリングマイヤー デス・グリフィン マリンズ その他、多数の欧米の研究者の一致した見方である。
◯ブレジンスキーは、ロックフェラーと共に、三極委員会の共同創設者である。
◯ブレジンスキーには、有能な三人の息子と娘があり、彼らは、それぞれ米国の 権力中枢にポストを持ち、ブレジンスキーの路線を担っていると。
◯日本人は、ブレジンスキーをどう見ているか。
◯日本の一般大衆は、ブレジンスキーに無関心であり、無知である。
◯日本のエリート層、知識層は、
◯ブレジンスキーを、本心・内心では、「大嫌い」である。
◯それは彼が、日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと持ち上げられて 居たその時代に、
◯日本は「ひよわな国」であると言う本を出版したからである。
◯「ひよわ」の英語の原語は、「フラジャイル」である。
◯ここでブレジンスキーが「フラジャイル」と日本を評したとき、
◯それは、英語の粘土の巨人、とほぼひとしい。
◯日本語の表現では、「張子のトラ」、と成るであろう。
◯「張子のトラ」は、英語では、「ペーパータイガー」である。
◯「日本はペーパータイガーである」とは、身もフタもない。
◯しかし、これは、ブレジンスキーの言う通りである。
◯彼は、日本人に見えすいた外交辞令、お世辞を言うような立場ではない。
◯従って、日本のエリート層、インテリ層は、当然のことながら、 ブレジンスキーを本心では(あの野郎!!と)忌み嫌う。
◯と言うわけで、タープレイの「オバマ/ブレジンスキー政権」又は、 「ブレジンスキー/オバマ政権」と言う見方、分析、予測の著述は、
◯日本のエリート層にとっては、心理的に非常に、イヤな本であるだろう。
◯このような本が、素直に、今の日本で、出版されるかどうか保証の 限りでない。
(了)
【註】
◎「週刊日本新聞」20.8.4号に、タープレイの前出レンズコムの論文に ついての詳しい紹介と論評をして置いた。
◎七月二十五日の日本義塾公開講義でもこのタープレイ論文について解説 する予定である。
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