平成二十年(二〇〇八年)六月十九日(木) (第二千四百五十七回)
◯R.D.ウィリングの近著、
おかね(マネー) ―第十二番目の宗教―
◇二〇〇八年一月、カナダ、モントリオール ◇二〇〇八年五月、米国ワシントンDC、バーンズレビュー
◯この本は、百九十三頁の小著であるが、その内容の水準はきわめて高い。
◯これは、日本民族憂国愛国の有志必読の書である。
◯以下に、本書の要点を列挙する、
(1)おかね(マネー)は宗教である。
(2)西洋の近代宗教学界は、全世界を詳しく調査研究して、 十一の主要大宗教の存在を確認した。
(3)しかし、実は、それらの十一の主要宗教に含まれて居ないにも拘わらず、 真に普遍的に全世界すべての国家、人種、民族……を決定的に支配して 居る、第十二番目の最後の究極の宗教が存在する。
それは、マネー(おかね)であることを発見したと、 著者R.D.ウィリングは結論づける。
(4)聖書の中に、モロク、と呼ばれる神が出て来る。
(5)このモロクの神がおかねである。
(6)モロクの神、おかねの神は、今、米国FRB連邦準備銀行、イング ランド銀行などの中央銀行というかたちで存在する。
(7)十一の主要宗教。その名前は、本書には明示されて居ないけれども、 常識的に言えば、ユダヤ教、キリスト教、イスラム、佛敎、儒教、道教、 ヒンドゥー教。
これで七つである。 日本の神道がこの中に入るかどうかは分らない。 信者の数ではキリスト教が最大であり、各派を合計すれば、 二十億人に成るかも知れない。
(8)しかし、おかね教、宗教としてのマネー、モロク教。 これは、今や全人類を掌握して居り、完全にその外にある人間は、 きわめて僅か。
(9)アレクサンダー大王以後、地球上のすべての有力な政治指導者で、 モロクの寺院にとって脅威となった人物は、暴力的に殺された。
(10)唯一の例外は、ニクソン米大統領である、と。
◯R・D・ウィリングのこの本の論旨は概ね正しい。
◯筆者(太田)も、ウィリングと全く同じ考えではないが、 それに類似する思想は、断片的に公表した。 しかし、今までそれを全面的に展開する機会がなかった。
◯「カナン」についてのこの著者の見解は、ユースタス・マリンズの「カナンの呪い」 (邦訳、成甲書房)とは異なる(九十三頁)。
◯モロクの神と敵対した、四人の米大統領が暗殺された(百七十八頁)、と。
◯この四人の中に、
J・F・ケネディ リンカーン
◯この二人は含まれるであろう。
◯本書では、「カルト273」が重要な事項の一つとして提起されて居るが、 この意味は分らないので、今後、研究したい。
(了)
【参照】
MONEY - The 12th and Final Religion By R. DUANE WILLING 二〇〇八年一月、二〇〇八年五月、百九十三頁。
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