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二〇〇八年六月五日、
タープレイの「オバマ―ザ・ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月)と、
ジョン・コールマン博士の「ビヨンド・コンスピラシー」(二〇〇七年九月)と、
この二冊を同時に解読すべきこと。

公開日時:2008年06月13日 23時31分
更新日時:2009年03月02日 22時43分

平成二十年(二〇〇八年)六月十一日(水)
(第二千四百四十九回)

◯W・G・タープレイ。
 「オバマ―ザ・ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊)三一四頁。

◯この本の主題を要約すると以下の通り。

  (1)2008年11月の米国大統領選挙に出馬する民主党候補は、八月の
     民主党全国大会で決定されるが、

  (2)そのための予備選挙。
     この予備選挙は、通常の選挙ではなかった。それは、ブレジンスキー一派
     によって仕掛けられた、クーデター、ポスト・モダン的クーデターであった。

  (3)そのことを、タープレイは、二〇〇八年一、二月の事態の推移の観察と分析
     を通じて確認した。

  (4)二〇〇七年初頭までの状況では、
     ヒラリー・クリントンが圧倒的に優勢でヒラリーが民主党大統領候補に指名
     されることはもう決定的、と思はれていた。

  (5)ところが、ブレジンスキー一派によって周到に準備され、実行されたクー
     デターによって、二〇〇八年一、二月、クリントンの優位はひっくり返され、

  (6)遂に、六月、オバマが、選挙人の多数を獲得し、ヒラリー・クリントンが
     敗北を宣言して、ブレジンスキー/オバマのクーデターは完成した。

  (5)このブレジンスキー/オバマのクーデター作戦は、二〇〇七年初頭ブレジン
     スキーの新著「セカンド・チャンス」の出版と共に、浮上した。

  (7)既にその時点で、ブレジンスキーのこの本は、「オバマ大統領」の政治綱領
     である、と評され、

  (8)ブレジンスキーは、「オバマ大統領」の頭脳である、などとも言はれた、

  (9)この著作の中で、ブレジンスキーは、
     一九八九年、ベルリンの壁崩壊後のチャンスを三代の米大統領(ブッシュ1、
     クリントン、ブッシュ2)は、生かすことに失敗した。と明示した。

 (10)つまり、三代 二十年の米政権は、ダメだった。
     としてこれを否定する。

 (11)二〇〇八年に選出される次の米大統領が第二のチャンスを捉えることに失敗
     したら、第三のチャンスはない、超大国アメリカの終わりだと。

 (12)ブレジンスキーは、次の米国大統領が実行すべき政治綱領として、
     この本を出版した。

  以下省略。

◯それでは、ブレジンスキーが描いた政治綱領とは、いかなるものか?

◯それは、ロシアの解体であり、ロシアをバラバラに分解して
 そして、現在のロシアの領土を、米英(その実体はイルミナティ三百人委員会である)
 の支配下に置くことである。

◯タープレイは、
 これは、ブレジンスキーの「バルバロッサ作戦である」と言う。

◯「バルバロッサ」とは、ヒットラーがスターリンのソ連に仕掛けた作戦の
 コードネームである。

◯ロシアは、これまで、三度、西洋によって、大戦を仕掛けられている。
 
◯第一回は、ナポレオンである。
 これはナポレオン惨敗となって終った。

◯第二回は、第一次世界大戦時、ドイツ軍による戦争であり、
 これはロシア共産革命政権を生み出した。

◯第三回は、第二次世界大戦、ヒットラードイツ軍の侵略である。

◯これも、ドイツの敗北。

◯しかし、ジョン・コールマン博士の新著「ビヨンド・コンスピラシー」によれば、

◯三百人委員会は、
 この次は、ロシアに対して仕かけられ、いずれも失敗した三度の大戦の手法は
 取らない、と。

◯この次は、
  クーデターの積み重ね、
  ロシアの分断、
  諜報戦争主体、
 と言った方式で行くであろう、と。

◯タープレイの「オバマ………」(二〇〇八年六月)は、
 コールマンの「ビヨンド・コンスピラシー」(二〇〇七年九月)と同時に
 読まなければならないだろう。

 (了)

 




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