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W・G・タープレイの新著「オバマ ― ポストモダン・クーデター」についての批評(第二回)

― 三百人委員会の戦略家、ブレジンスキーがオバマ(夫妻)を使って、米国をファシスト国家として構築し、ロシア打倒の第三次世界大戦のアジェンダを演出する ―

公開日時:2008年06月08日 23時44分
更新日時:2009年03月02日 22時45分

平成二十年(二〇〇八年)六月八日(日)
(第二千四百四十六回)

◯W・G・タープレイの新著
 「オバマ ― ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊)の序章
 「オバマ ― 二〇〇八年、CIA権力によるクーデター」。

◯これは、七十四頁と、長大な章である。
 本書(二百九十頁)の約四分の一を占める。

◯ここに、何が書かれて居るか。

◯以下にその要点を列挙する。

 (1)米英世界金融寡頭権力体制(オリガルキー)、又は、
    英(ブリテン)米世界帝国体制は、今、深刻な瓦解の危機にさらされて居る。

 (2)ブッシュ=チェイニー=ネオコン一味の路線は、完全な失敗に終わった。

 (3)彼ら(ブリテン=米世界帝国)は、新しい戦略、新しいアジェンダ、
    新しい作戦計画を採用した。

 (4)この新しい戦略を立てたのは、ブレジンスキーである。

 (5)ブレジンスキー戦略の概要は、以下の如し。

    [a]アメリカにファシズム国家体制を構築する。

    [b]ここで、「ファシズム国家」とは、第一次世界大戦後、
      イタリー(ムッソリーニ)と、ドイツ(ヒットラー)に樹立された
      ような、草の根からの大衆の熱狂的エネルギーの動員を不可欠とする。

    [c]ブレジンスキーは、このような意味でのファシズム体制を米国に確立
      するための前提として、そのカリスマ的リーダー、オバマを二十五年
      かかって育成した。

    [d]ちなみに、オバマの妻、ミシェル・バラク(黒人)は、本格的なファシ
      ストイデオローグとして育成された。

    [e]ブレジンスキー(そしてブリテン米世界帝国)は、勝負に出た!!

    [f]米国をファシスト化して、米国をトータルウォー、米国の全力を、
      ロシア打倒のための世界戦争に動員する、そのアジェンダに向けて。

    [g]今回の米大統領選挙は、
      これは、クーデター、であって、通常の大統領選挙ではない。

    [h]ブレジンスキー戦略の主要打撃方向は、ロシアである。
      ロシアの分裂解体、ロシアの占領である。

    [i]ロシア打倒のための主要戦略は、
      中共をしてロシアのシベリア領(その石油、天然ガス資源)を占領せし
      めることである。
     ………
     ………
     以下省略する。

◯プーチンのロシアは、
 ブレジンスキー(ブリテン/米世界帝国)のこの手の内を、先刻、お見通しである。

◯もちろん、ブレジンスキーも、プーチンがブレジンスキーの手の内を承知して居る
 ことを知って居る。

◯おお!!

◯これは、まさしく、第三次世界大戦の展望である。

◯W・G・タープレイは引用して居らず、多分、その存在も知らない様子だが、
 ジョン・コールマン博士は、
 
◯最近の著作「ビヨンド・コンスピラシー(陰謀を超えて)」の中で、

◯タープレイが本書(『オバマ ― ポストモダン・クーデター』)で展開して居ることを、
 二年前に、先取りして居る。

◯筆者は既に何回かジョン・コールマン著「ビヨンド・コンスピラシー」を紹介して居る
 が、後に改めて、それは論評したい。

 (了)

 【注】

◎本書でタープレイが、「ブリテン/米世界帝国」として居る陣営の正体は、コールマン
 の「三百人委員会」、以外の何物でもないだろう。

◎七月二十五日(金)の日本義塾公開講座は、ここで論じられて居る問題についても
 説明する。

 




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