平成二十年(二〇〇八年)六月八日(日)
(第二千四百四十六回)
◯W・G・タープレイの新著
「オバマ ― ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊)の序章
「オバマ ― 二〇〇八年、CIA権力によるクーデター」。
◯これは、七十四頁と、長大な章である。
本書(二百九十頁)の約四分の一を占める。
◯ここに、何が書かれて居るか。
◯以下にその要点を列挙する。
(1)米英世界金融寡頭権力体制(オリガルキー)、又は、
英(ブリテン)米世界帝国体制は、今、深刻な瓦解の危機にさらされて居る。
(2)ブッシュ=チェイニー=ネオコン一味の路線は、完全な失敗に終わった。
(3)彼ら(ブリテン=米世界帝国)は、新しい戦略、新しいアジェンダ、
新しい作戦計画を採用した。
(4)この新しい戦略を立てたのは、ブレジンスキーである。
(5)ブレジンスキー戦略の概要は、以下の如し。
[a]アメリカにファシズム国家体制を構築する。
[b]ここで、「ファシズム国家」とは、第一次世界大戦後、
イタリー(ムッソリーニ)と、ドイツ(ヒットラー)に樹立された
ような、草の根からの大衆の熱狂的エネルギーの動員を不可欠とする。
[c]ブレジンスキーは、このような意味でのファシズム体制を米国に確立
するための前提として、そのカリスマ的リーダー、オバマを二十五年
かかって育成した。
[d]ちなみに、オバマの妻、ミシェル・バラク(黒人)は、本格的なファシ
ストイデオローグとして育成された。
[e]ブレジンスキー(そしてブリテン米世界帝国)は、勝負に出た!!
[f]米国をファシスト化して、米国をトータルウォー、米国の全力を、
ロシア打倒のための世界戦争に動員する、そのアジェンダに向けて。
[g]今回の米大統領選挙は、
これは、クーデター、であって、通常の大統領選挙ではない。
[h]ブレジンスキー戦略の主要打撃方向は、ロシアである。
ロシアの分裂解体、ロシアの占領である。
[i]ロシア打倒のための主要戦略は、
中共をしてロシアのシベリア領(その石油、天然ガス資源)を占領せし
めることである。
………
………
以下省略する。
◯プーチンのロシアは、
ブレジンスキー(ブリテン/米世界帝国)のこの手の内を、先刻、お見通しである。
◯もちろん、ブレジンスキーも、プーチンがブレジンスキーの手の内を承知して居る
ことを知って居る。
◯おお!!
◯これは、まさしく、第三次世界大戦の展望である。
◯W・G・タープレイは引用して居らず、多分、その存在も知らない様子だが、
ジョン・コールマン博士は、
◯最近の著作「ビヨンド・コンスピラシー(陰謀を超えて)」の中で、
◯タープレイが本書(『オバマ ― ポストモダン・クーデター』)で展開して居ることを、
二年前に、先取りして居る。
◯筆者は既に何回かジョン・コールマン著「ビヨンド・コンスピラシー」を紹介して居る
が、後に改めて、それは論評したい。
(了)
【注】
◎本書でタープレイが、「ブリテン/米世界帝国」として居る陣営の正体は、コールマン
の「三百人委員会」、以外の何物でもないだろう。
◎七月二十五日(金)の日本義塾公開講座は、ここで論じられて居る問題についても
説明する。
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