平成二十年(二〇〇八年)六月七日(土)
(第二千四百四十五回)
◯今日から、何回かに亘って、W・G・タープレイの新著、
「オバマ―ポストモダン・クーデター」(二〇〇八年六月刊)
◯この重要な本について、紹介し、論評する。
◯W・G・タープレイ(Webster Griffin Tarpley)
◯このひとは、リンドン・ラルーシュ(『EIR』誌)系の歴史家、
ジャーナリスト、研究者ではあるが、
◯本質的には、現代米国の独立的著述家、ジャーナリストの一人、
と見るべきであろう。
◯筆者の知る限り、
この人の著作、論説は、今のところ、日本語に翻訳されては居ない。
◯しかし、彼のこれまでの二冊の主著は、フランス語、スペイン語などに
翻訳出版されて居る、と言う。
◯本書は、序文、序論と、そのあとの十六の章から成る。
この十六の章の中、三つの章は、ブルース・マーシャル、ジョナサン・モワット
によって書かれている。
◯これらの中で、もっとも重要な、本質的意味を持つ章は、
◯ 第十章 今、ブレジンスキーは、米国の政治に対する支配権を掌握しつつある。
―スローモーションで、こっそり気付かれないように進行する
クーデターによって―
◯と言う章である。
◯従って、ここで、まずこの章の要点を列記する。
(1)ワシントンD.C.(二〇〇八年)二月二十三日。
過去数日間の出来事は、狂氣じみた、ロシア増悪派、ズビグニュー・
ブレジンスキーの一味が、アングロ・アメリカ(英米)金融寡頭権力
の秘密評議会内で多数派と成ったことを示した。
(2)ブレジンスキーは、十一月の選挙結果が出るのを待つことなく、既に
ブレジンスキー一味の戦略を米国の政策として、実行に移しつつある。
(3)イラン・シリアに対する攻撃の可能性は背景に退きつつある。
(4)むしろ、ロシア、中国、パキスタンとの対決の危機が増大しつつある。
(5)コソボ、ベルグラード、宇宙戦争、シリア、アフリカ、イタリアの
政変などについての記述は省略する。
(6)オバマのライバル(ヒラリー・クリントンなどを含む)は、
警察国家的手法によって排除されつつある。
(7)ブレジンスキーは、彼の完全な傀儡たる「オバマ大統領の政権」に
よって、米国とロシアの対決へと局面を進める。
(8)これは、米、ロシアの核対決へとエスカレートする。
◯と。
◯これは、ブレジンスキーの、「バルバロッサ作戦」である、と。
◯そして、ブレジンスキーのこのアジェンダは、ブリテン=米国の国際金融権力
の主流によって承認されて居る、と。
(この項つづく)
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